丸尾大志さん 体験談
- 期間と予算を教えてください。
- 1年2ヶ月で300万円前後
- 留学される前、一番不安だったことは何ですか?
- 金銭面です。
- なぜ留学をしようと思ったのですか?
- ニューヨーク留学前にワーキングホリデービザを使ってカナダのアパレル会社で働いていたのですが、働いているうちにファッションのことをきちんと勉強したいと思い、ファッションマーケティングに最も定評のあるFITへの入学を決めました。更なるスキルアップの為に2回目となるニューヨークでの留学を決めました。
- どのコースを専攻していましたか?
- Associate in Applied Science, Fashion Merchandising Management(ファッション マーチャンダイジング マネージメント准学士課程1年コース)
- どのような授業を取りましたか?どの授業が面白かったですか?授業は難しかったですか?
- 私が専攻したコースでは卒業後バイヤーやマーチャンダイザーとして働く方が多いのですが、授業ではファッションに関わるビジネスを包括的に受講しました。授業は基本、参加型でアメリカの大学ではParticipation(発言なども含めてどれだけクラスに積極的に参加しているか)も評価の対象になってきますので課題はもちろん、授業はどれも基本的に難しかったですが、その分為になりました。一番印象に残っている授業はProduct Developmentの授業です。この授業では実際に業界の人が使っているトレンドフォアキャスティングサービスと呼ばれるウェブ上のサービスを使っての課題があります。学生はまずグループにわかれて特定のブランドを決めて、あたかも自分たちがその会社の代表としてデザイン、カラーのコンセプト、どこからそのインスピレーションを受けたのか、商品数はどのくらい発注で、マークアップ率は何%かを決めてプレゼンテーション形式で発表します。このサービスは本来企業が購入しているもので一般の人は高額の為、使用できないのですがFITではEducation Purposeという題目で学生の間は使うことが出来ます。
- 先生についてはいかがでしたか?
- 業界の第一線で活躍している方々を講師に招いているので、テキストだけでなく自身の仕事の体験談を例に出して授業を進めてくれる先生もいて授業内容もわかりやすく比較的良かったと思います。私の場合は前期と後期の授業でとても熱心になってくれる思い出の先生が1人ずついます。授業がおわった後でも質問の時間を作ってくれ、私がわかるまで説明してくれました。その先生方とは今でも連絡を取り合っています。また、うちの学校おそらくアメリカの学校では生徒が先生を評価するのが当たり前のところがあってRateMyProfessors.comなどという各学校の先生の口コミ評価サイトなるものまであります。こういったいつも評価の場に立たされているので各先生の授業への気合いの入り方も違います。ですが、稀にあまりといった先生にあたったことも正直いくつかのクラスでありました。
- クラスについてはいかがでしたか?(人数、国籍など)
- 日本の大学に見られるような大講堂での授業といったものではなく、多くても20人前後という少人数制のものでした。国籍に関しては9割が現地のアメリカ人の学生で残りの1割が私を含むインターナショナルスチューデントでした。クラスによっては私1人が外国人で後は全てアメリカ人の学生といった光景も珍しくありませんでした。
- 現地の友人や外国人の友人はできましたか?
- 私の専攻のコースではほとんどのクラスがグループワークがあるものだったので、一緒のグループで課題に取り組むうちに友人も出来るようになりました。学校でも友人はいましたが、同じ時間を多く共にし、共通のゴールに向かって働いていたせいか、自分の場合はインターン先での友人関係の方が濃かったように思います。
- 学校の設備はいかがでしたか?
- 平日から週末にかけて(祝祭日・バケーション中は変動あり)コンピュータールームは24時間開放、図書館も深夜まで開放していたので勉強するにはとてもいい環境でした。私は結局1度も使う機会がありませんでしたが、学内には学生が無料で使えるフィットネスセンターもありました。
- 学校の立地環境はいかがでしたか?
- 最寄駅からも徒歩圏内でニューヨークの中心地・マンハッタンに校舎を構えていたので立地条件は非常によかったです。
- その他、学校についてコメント等あればお聞かせ下さい。
- 私が通っていた学校は歴代の卒業生のお陰もあって、ファッション業界でのコネクションが他の学校に比べて非常に強かった気がします。ニューヨークのファッションウィークと呼ばれるファッションの祭典のボランティア募集、インターンシップの斡旋、学内で開催されるジョブフェア、生涯活用出来るジョブデータバンクなど充実していました。
- どのような滞在方法を取られましたか?(寮、ホームステイ、ルームシェアなど)
- キッチン、シャワー共有で個室のルームシェアです。
- 滞在費はいくらくらいでしたか?
- 交通費、食費、交際費、携帯代など全てひっくるめて日本円にすると12万円くらいです。
- 滞在先の治安はいかがでしたか?
- 私がはマンハッタンの隣のブルックリンと呼ばれる区域に住んでいましたが比較的安全でした。ブルックリンも広く私が住んでいたところはチャイナタウンに近いところでした。ただ、ニューヨークは昔に比べると治安が良くなったと呼ばれるものの、ある区域のこれより先は治安が良くないなどのエリアがあるのできちんと下調べをしていくことをお勧めします。
- 一日の食費はいくらくらいでしたか?
- 私の場合は自炊もしていたので朝のコーヒー等入れて1日で計算すると10-15ドルくらいでした。
- 通学にかかる費用と学校までの通学所要時間はどれくらいでしたか?
- メトロパスと呼ばれる地下鉄1か月乗り放題パス購入で125ドル学校までの通学は約40分です。
- クレジットカードは持っていきましたか?現地で銀行口座は作りましたか?
- クレジットカードは数枚日本から持っていきました。既にご存じの方もいるようにアメリカではカフェ、ファーストフードの支払いでさえクレジットカードで済ませてしまう人がほとんどです。また、アメリカに行ってからクレジットカードが必要になって作ろうとすると学生のステータスですと非常に審査が厳しく作れないこともしばしばあるので1枚は持っていくことをおすすめします。現地の口座はシティーバンクの口座を作りました。口座開設の際は所属する学校からのレター等の提示を求められることもあると思うので学校に通われる方は直接そちらの学校の担当者に聞いてみることをお勧めします。インターナショナルスチューデントだとバンク・オブ・アメリカが比較的口座開設しやすいと言われています。
- 日本と比べて物価はいかがでしたか?
- 私が留学した時期はちょうど円安が加速したこともあって、物価はだいぶ高く感じました。場所にもよりますが、ハンバーガーなどでもお店で食べるとチップを含めて普通に1000円以上は当たり前。ただし、ニューヨークでもマンハッタンから少し離れた場所、特にチャイナタウンがある近辺は比較的食料品、食べ物も値段が安いです。
- 生活費を抑えるために心がけたことはありますか?
- 生活費で一番節約を心がけたのは食事です。学校やインターン先に行く際も極力ランチは自分で作ったものタッパーなどに入れて持っていきました。あと、飲み物に関しても私の通っていた大学、インターン先の会社にはウォーターサーバー又は浄水器があったのでマイタンブラーを持参してそこで水分を補充していました。
- 現地で何かトラブルや危険な場面に遭遇等しましたか?
- 今回の留学前に一度ニューヨークに学校見学に2週間ほど訪れたことがあったのですが、その際に路上でCDの押し売りに会いました。後で知ったのですが観光客を狙ったものでニューヨークではよくある手口らしいです。
- その時どのように対応しましたか?
- 私の場合はCDを持った黒人の若い2人組に話しかけられ、『アーティスト活動をしているものでよかったら曲の感想を聞かせて欲しい』と握手を求められ握手をすると私が名乗った名前をCDに書き手渡してきました。それを受けとるとお金を請求されます。私の場合は最初は10ドルト言われ最後には400ドルまで跳ね上がりました。二人に囲まれてナイフも見せつけられましたが、私はお金もそんなに持ち合わせがなかったし、意地で10ドルだけ渡してちょうど地下鉄の駅が近かったのでお金を10ドル払って駅に向かって立ち去ろうとしたのですが1人の方はずっと後をつけてきました。私の場合は駅の改札で思い切り近くにあったごみ箱を叩いたら運良く相手が逃げていきましたが、今思えば一歩間違えれば危険だったと思います。友人にも言われましたが助かったからいいものの、下手に反抗してこんなことで命の危険はさらすべきではないとこの時学びました。対策として次回万が一そういう目にあった時はすぐにお金を出して身の安全を確保出来るようにお金は必要分しか持ち歩かない。財布も長財布ではなく4つ折りにしはたからみえないようにしました。そして、出来るのであればお店や駅構内など人目の多いところに移動することです。
- 普段からトラブルに対して何か心がけていたことはありますか?
- 1人でいる際は少しでも怪しいと思った人に話しかけられた際は立ち止まらない、はたからみて観光客とわかるようにきょろきょろし過ぎないことを心がけました。
- 今回のご留学で得たものは何ですか?
- 1番はチャンスに敏感になることと自己主張です。
どんなに努力をしてもこの2つは特にニューヨークでは大事なものだと感じました。 - 留学中、一番楽しかったことは何ですか?
- ニューヨークのファッションのPR&ショールーム会社でのインターンシップです。クラスルームだけに収まらず生のファッションの現場を仕事を通して学ぶことが出来ました。インターンシップ先で出会った人達とは実際に出かけたりもして、日本に帰った今でも連絡を取り合っています。
- 辛かったことは何ですか?
- 生活費の足しにする為にほぼ毎日オンラインで日本から翻訳のフリーランスの仕事をやりながら学業をしていたので、その両立がすごくきつかったです。私が入学したクラスがもともと2年間のコースを1年間で終了させるというインテンシブのコースだったので、学校ではほぼ毎日課題がありただでさえきついのに仕事との両立で時間がなかったのが本当に大変でした。しかし、それを通して時間を大事に使う大切さを学べたので卒業した今ではよい経験です。
- ニューヨーク留学の前にカナダやフィリピンに留学に行って良かった点はありますか?
- 一番感じたのは英語の学習についてです。カナダとフィリピンで英語の下地を作っていたお陰で、学校の授業など始めこそ苦労はありましたが、なんとか卒業することが出来ました。個人的な見解もあるかと思いますが、一般的にニューヨーカーの人は外国人、日本人ということだけではあまり興味を持ってくれません。ニューヨークは他のアメリカの州とも少し雰囲気が違っていて何かを成し遂げようという人々が世界中から集まっている場所なので、競争意識が強いです。よく言われるのは日本では最終学歴の学校名、アメリカでは最終学歴の学校名+成績が一生まとわりついてきます。なので、学校でもただ仲良しでグループワークということではなく、誰と組むことで自分の成績を良く出来るかという感情も入ってきます。自分だけならいざ知れず、グループワークとなると周りの成績もかかわってくるので在学中は必死でした。カナダとフィリピンでの留学を通して少なからず英語の土台、自己の形成が出来た状態でニューヨークに行けたのは良かったと思います。
- DEOW留学センターをご利用頂いた感想をお聞かせ下さい。
- 当時、ニューヨークでのファッションの留学を志したのはいいものの何から始めればよいかわからなかった私がこちらの留学センターに電話した際に一度オフィスに来て良かったらお話しましょうと言って始めてお会いした時から、本当に親身になってサポート頂きました。特にカウンセラーの二方さんには入学の手続きだけに収まらず、大学出願時に提出するエッセイ・課題、履歴書の件をはじめ大変お世話になりました。やってみてわかったことですが海外の学校への出願は思ったよりやることが多いので、正直1人であそこまでやるのは難しかったと思います。私自身、ニューヨーク留学前に英語を教える仕事をしていたのである程度英語に自信はありましたが、やはり細かい文法、ニュアンスの違い文章の構成・伝え方といったものがIELTSやTOEFULといった留学試験のものとは全く異なるのもので、実際に海外の大学を出て現地で働かれていたカウンセラーの方に見てもらうのは非常に安心感がありました。大学への書類の送付、入金などの細かい作業も1つミスがあったら1年間入学が遅れてしまいます。私の友人でも自分の成長の為、お金の節約の為にということで手続きを自分で行って書類の不備があり入学が1年遅れてしまったケースもあります。幸い、友人の場合は1年遅れての入学が出来ましたが、危うく入学すら出来なかったかもしれないと後で聞きました。二方さんご本人にも申し上げたのですが正直、私の入学準備に費やしてもらった時間、手厚いサポートを考慮すると逆に申し訳なく感じたことさえあります。私がそう申しあげると『サポートを通してこちらも非常に勉強になったので』と言ってもらっていますが、感謝しても感謝しきれません。最終的にはFITへの入学を決めましたが、パーソンズとFITへ正規入学の合格を貰えたのは1人では成し得なかったことです。本当にありがとうございます。
- これから留学する方へアドバイスをお願いします。
- ・充分な資金を用意する(キャリア形成をする上で勉強のみならず人との繋がりを構築することは非常に重要になっていきます。自分の場合は資金がギリギリだったのもあり、思うようにそういったネットワーキングの場にあまり参加することはありませんでしたが、NYは日本に比べて各業界の著名人などとも比較的距離が近く知り合いやすいのでもったいないことをしたなと思っています。)
・意志表示をしっかりする(ニューヨークで一番感じたのは人々の自己主張が強いところです。せっかくのチャンスが来ても遠慮していたら、相手方には熱意がない、本当はやりたくないのではないかと受け止められてチャンスを逃すこともあるので、意思表示をして是非我こそはという気持ちが大事です。)
・自分の目標を周りに公言する(これは意思表示にかさなる部分がありますが、日頃から会う人に自分の目標を宣言しておくことでそれを覚えていてくれる方々もいるので思わぬチャンスを掴むこともあります。)
・英語の事前学習(ニューヨークに来て感じたのは、個人差もありますが英語を話すスピードが速いです。現地に行ってからと言わずに時間があれば少しでも勉強しておくことをおすすめします。)